ドント・ビー・ステューピッド / 菊池ひみこ
いつまで経っても復刻しないシリーズ。 と思ったら、今年の7月に復刻してたみたい。タワレコ限定らしい。
http://tower.jp/artist/816418/
ライナー・トゥルービーがコンパイルした、Glucklich IVで有名になった、"What's Beby Singin'"が収録されているレコードだ。
自分の持っているレコードは見本盤と書いてあって、かなり綺麗な盤質だった。日本のレコードは高品質なので、音の小さなところ以外であればCDと遜色ない音質でリッピングできた。(というわけでCDで買い直すのはビミョーである)
ちなみに、ここでいう「CDと遜色ない音質」というのは、トレースノイズやクラックルノイズが少ないという意味。やっぱりパチパチいってる箇所があると「音質が良い」って思えないCD時代のおれがいる。ノイズ込みの音の暖かさがレコードの魅力だという宗教戦争には言及しない。まあ、結局44.1kHz16bitで録音して、AAC192kbpsに変換しちゃってる時点で、可聴範囲外の音は削ぎ落とされ、CDより悪いわけだが。でも、レコードのほうが低音がイイカンジだというのは認める。
話を戻す。
内容はバリバリのフュージョン。かなりの佳作であると思います。まさに日本のレアグルーブ。
アーニー・ワッツがサックスで参加している。というのが宣伝文句のようだが、この人、よく知りません・・・。
ドント・ビー・ステューピッド / 菊池ひみこ
1980, JP, Continental, HL-5003
- 1. Stormy Spring
- 1曲目にふさわしい爽やかな感じの曲。
- 2. What's Baby Singin'
- なんだかんだ言って、これがベストトラック。さらっと流せば日本人の作品だとはまず気が付かないような感じ。当時の国内の評価ってどうだったんだろう。CDで復刻もしてないとなると、さほど高い評価はされていなかったのではないかと想像するのだが。たしか、ベスト盤がCD化されてたような気がするが・・・(持ってません)。
- 3.For My Buddy
- 普通のフュージョンって感じの曲です(と言っても伝わらないよなー)
- 4. Vampire
- 個人的にはこの曲も推したい。菊池ひみこ女史の華麗なピアノソロがカッコイイ。アナログシンセなんかもフィーチャーしてて、逆に今リリースされたほうが受けるんじゃないかって感じ。そして、改めて聴いて思ったのが、この曲のモチーフは、きっと、ジャコ・パストリアスのKuru/Speak Like A Childなんじゃないのかということ。1分半を過ぎたころのベースのフレーズがそっくりじゃないか。
- 5. Flight In The Moonlight
- 静かなピアノから始まる曲。こういう曲はねえ、針のノイズが気になるんだよねえ・・・。イントロが終わるとラテンパーカッション入って来てノリが良くなります。
- 6. Stiff Vamp
- ファンキーな感じのフュージョン。
- 7. Tear Drops
- スローなナンバーです。
- 8. Mambo Is Magic
- マンボと言っている通り、ラテンフュージョンな感じ。ちょっと古くさいところがやっぱり1980年って感じか。
なんとなく、このレコードは、Namazの300M.P.Hを思い出す。1970年代後半の元気な日本のフュージョン作品だ。