Prague Big Band Milan Svoboda / Reminiscences

ひとつ前の記事で言及した、Prague Big Band。非常にタイトで気持ちのいい演奏を聴かせてくれるチェコのビッグバンドだ。

このアルバムにはゲストボーカリストとして、Jana KoubkovaとC&K Vocalが名を連ねている。少しチェコの音楽シーンをかじったひとならば、Jana Koubkovaの名前は聞いたことがあるかもしれない。Jazz Fragment PragueやJazz Q等のセッションで、特徴的なスキャットを聴かせてくれるあの女性だ。

↓そんな彼女のコンピレーション。スキャットファンなら要チェック!

Vocal Virtuoso:Collection 1977-97

Vocal Virtuoso:Collection 1977-97

↓Jazz Fragment PragueはCDで復刻してますが、ここで試聴ができる。"Romance"をチェック!
http://www.soft-tempo.com/records/dt/2006/05/jazz_fragment_p.html

Side One

1. Blues For The PBB
2. Barefooted Adela
個人的にはこのLPの中のベストトラック。2種類のリズムが交互に入り混じる曲調がとても気持ちいい。ビッグバンドらしからぬ、小回りの効いた演奏だ。
3. Stewed Plums
DJ諸氏にはこの曲のほうが人気が高いらしい(?)、というのがネットから仕入れた情報での結論。のっけから繰り出されるMilan Svobodaのアコースティックピアノと、Michael KocabのRhodesの早弾きソロバトルが聴き所。二人とも並々ならぬテクニックの持ち主だ。Rudolf Tichacekのテナーサックスソロも素晴らしい。

Side Two

4. Proclamation
この曲もやっぱりタイトなリズム。ファンキーなリズムとスウィングが入り混じる。ギターとフルートとドラムが主役。特に曲後半のパーカッションとLadislav Malinaによるドラムは息をもつかせぬテンション。やはり、ピッグバンドなだけに引き出しが多い。トリオやカルテットでは出せない味だ。
5. Reminiscence On An Old Choral
KoubkovaとC&K Vocalはこのトラックで登場する。C&K Vocalはチェコのコーラスグループで、ジャズロック的なアプローチのプログレッシブな作品を残している。

というわけで全体的に、とてもタイトでスリリングなリズムで迫る素晴らしい内容。レコードショップで見つけたら有無を言わさず購入しましょう。

それだけの価値はあると思う。かっこいいよ、すごく。