Barbara Moore / Bright And Shining

このアルバムは正確にはバーバラ・ムーア名義ではない。TVなどの放送局用に製作された、「ライブラリー」と呼ばれるレコードだ。よって、一般の流通には乗らない。

ソフトロック・AOR・ジャズ関連のレアグルーヴを掘り尽くしたDJたちが次に目をつけたのが、この「ライブラリー」だ。ヨーロッパでは既成の音楽は、隣接著作権が厳しく、使用の際に莫大な費用がかかってしまうため、こういった業務用音源が製作された。とんでもなくマニアックなレコードだが、良作が眠っていることも多い。Barbara Mooreをフィーチャーした、このLPもそのひとつ。通常は1万円超えも珍しくないシロモノなのだが、運良くとても安く手に入った。1stプレスが高額で取引されるらしい。ということは、もしやこれは2ndプレスなのか?

内容的には、単独のBarbara Moore名義のアルバムとして発売されてもおかしくないくらいの出来。楽器構成はドラムス、サックス、ギター、ベース、ボーカルといった当たり障りのないもの。実験的要素は皆無だ。だからこそ、曲の良さが映えると言っても過言ではない。

CDでは下記、コンピレーションがライブラリー入門用としては最適だろう。といっても、内容はポップで聴きやすい作品が多い。TV放送用BGMだから、当然といえば当然か。

Premium Cuts - SYLVESTER

Premium Cuts - SYLVESTER

Premium Cuts - DE WOLFE

Premium Cuts - DE WOLFE

(ライブラリーの特徴として、曲名に加えて、全体の簡単な雰囲気が併記されている)
SIDE ONE

1. BRIGHT AND SHINING
mid-tempo relaxed
2. FLY ME HIGH
sunny, strolling
ソフトロック。ギターカッティング、サックスとボーカルハーモニーがどこまでも気持ちいい。晴れ渡った青空が良く似合いそう。
3. AFFLUENCE
slow, moody, sultry

SIDE ONE(contd.)

4. GOING ON HOLIDAY
happy, sunny, lively
5. ALTO SEX
mid-tempo, romantic sax number
ロマンティックなサックスナンバー。しっとりしてて大人っぽく、色気のある佳作。
6. STAY WITH ME
active, serious, mid-tempo
「Premium Cuts: Sylvester」にも収録された、少し切なげな、珠玉のソフトロックナンバー。ギターカッティングが気持ちいい。

SIDE TWO

1. FEEL FINE
up-tempo, cheerful
2. CANON
smooth vocal harmony over repeating bass
3. SMOOTH AND SOFT
soft, sophisticated, easy feeling

SIDE TWO(contd.)

4. REAL THING
strolling wordless vocal harmony
5. VOICE OVER SAX
relaxed sax number with vocal support
6. FEELING FREE
carefree, fast, light

BRIGHT AND SHINING - A variety of modern, stylish sounds for vocal group with instrumental backing

SMCS/LP 557