BAND WAGON / 鈴木茂

70年代の音楽が好きなのは、懐古趣味でもなんでもなく、ただそれが優れているからだ。

テクノロジーはもちろん、昔とは比べ物にならないほど進化の一途をたどっているが、肝心の中身が伴わない。

明らかに今の音楽は退化している、この40年も前の鈴木茂のアルバムを聴くと、そう思わざるを得ないのである。

BAND WAGON 2008-Special Edition-

BAND WAGON 2008-Special Edition-

とにかく、初っ端から繰り出される、"砂の女"を聴いてほしい。今の日本のミュージシャンでこれに匹敵するボッサナンバーを作ることが出来るだろうか(ファンクだという意見もあるかもしれない。ノリとしてはDonny HathawayのValdez In The Countryに近いかも)。

そこまでいうと誉めすぎかもしれないが、日本人にもこんな曲が作れる人が少なからず存在したというわけだ。

鈴木茂は、元はっぴいえんどのギタリストだ。このアルバムはアメリカのロサンゼルスで録音され、鈴木以外のミュージシャンは皆現地の人だ。

クレジットを改めて見て驚いたのが、"砂の女"のキーボーディストが、Don Grusinだったということ。

えーー、あのドン・グルーシンだったのか!リー・リトナーのOn The Lineとかに参加した、Dave Grusin実弟の!? うーむ、納得のパフォーマンスです。

ところで、2008年に再発されたリマスター版、「BAND WAGON 2008-Special Edition-」には"砂の女"の「未編集ロング・ヴァージョン」というものが収録されている。アルバムバージョンはフェードアウトするが、こちらは幾分長くて、ライブ感漂う終わり方。自分的にはこちらがツボだ。

こういう音楽こそ、聴き継がれて然るべし。だと思うんだけどなー

BAND WAGON 2008-Special Edition-

  1. 砂の女
  2. 八月の匂い
  3. 微熱少年
  4. スノー・エキスプレス
  5. 人力飛行機の夜
  6. 100ワットの恋人
  7. ウッド・ペッカー
  8. 夕焼け波止場
  9. 銀河ラプソディー
  10. GaGaKu(未発表インスト)
  11. 八月の匂い(アウトテイク・インスト)
  12. 微熱少年(アウトテイク・インスト)
  13. ウッド・ペッカー(アウトテイク・インスト)
  14. 夕焼け波止場(アウトテイク・インスト)
  15. 砂の女(未編集ロング・ヴァージョン)
  16. 八月の匂い(未編集ロング・ヴァージョン)
  17. 100ワットの恋人(未編集ロング・ヴァージョン)
  18. ウッド・ペッカー(未編集ロング・ヴァージョン)
  19. 銀河ラプソディー(未編集ロング・ヴァージョン)


以下は、参考までに…。