2ちゃんねるはなぜ潰れないのか

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

あったあった。あったので早速買って、読了です。

おれは「ウェブ進化論」よりも、ひろゆき氏が語る――オビにも書いてある――「もうこれ以上、インターネットは社会を変えない。」という主張に共感できるんだな。彼はインターネットの今後に悲観的だ。経済活動がある以上、企業はカネ儲けを優先し、何らかの枷をつけて顧客を相手にする。

今は何をやるにもカネが必要だ。おれはプロバイダに接続料金を払い忘れていた。つい3時間前まで、今日の朝からインターネットが自宅で出来なかった。これが枷だ。ネットはオープンだ、何だと持てはやされているワリにはこんな程度だ。電気や水だってそうなんだから、当たり前。カネがあったほうがきっと幸せだ。

この「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」は非常に端的に、今のインターネット社会の現実を論じていると思う。もっとネタ本っぽいのかなと思ってたけど、ひろゆき氏は鋭い視点で冷静にものを見ている。この本を読んでちょっと見直した。

ところで、今、インターネット界隈で行われていることは、技術的に見れば、歴史の繰り返しなんではないかと、よく思ったりするんだ。年取ったせいかもしれないけど、おれはプログラミングで、最もエキサイティングだった時期って、10年以上前にWindowsアプリを書いていた時だった。ISDNテレホーダイでインターネットがやっと使えてたころだ。情報の要は本とメーリングリスト。今ほど自由にインターネットは満喫できなかった。

それに比べると、今のWebアプリ開発(受託開発が主)ってのは、あまりエキサイティングではない。納期がタイトになった分の難しさや厳しさはあるんだが、技術的には10年前のほうが難しいことをやってのけてた様な気がする。もちろん、10年経ち、自分の知識が昔よりも豊富になったから、そんなふうに感じるのかもしれないけれど。

まーAjaxやらそっち方面は十分エキサイティングだと思うんだが、おれはもっと車輪を再開発する喜びを味わいたいというか、情報の少ない時代、試行錯誤して苦心して自分のライブラリを充実させていた時代の方が好きだった。今は効率化効率化で、誰かが作ったライブラリをうまく組み合わせて使うことが良しとされている感じ。もっと細かい部分を自分で制御したいっていう非現実的な願望がある。今は世界が広がりすぎて、年寄りには大変ですわ。ゲホゲホ。

そういえば、15年くらい前、トランジスタ技術別冊のFDCの本を買い、PC88でOSを作ろうとしていた。未遂に終わったけど。