最近読んだ本

レビューというにはあまりにおこがましいが・・・。

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

伊坂幸太郎はキライな作家ではないのだが、読んでる途中でもなんとなく、もやもや感が付きまとう。飄々とした文体がそう感じさせるのだろうか。

大した本読みでもないので、文体に格式だとかは求めてないつもりだ。だが、読了後にくる"重み"というものがない。以前読んだ、上甲宣之の「そのケータイはXX(エクスクロス)で」も似たような感覚を得た。面白いことは面白い。ただそれだけ。

伊坂にも上甲にも共通して言えるのは、飄々とした文体だ。少なくとも自分にはそう感じられる。しかし、どうもそれが自分向きではないようだ。単に好みの問題というやつかな。便利な言葉だ。好みの問題。

江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚 (光文社文庫)

江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚 (光文社文庫)

江戸川乱歩が好きだ。長編よりも短編・中編が面白い。明智小五郎が出てくるよりも、その他のおかしな変態どもが活躍する話が好きだ。やはり小説の登場人物は極端な人間がいい。乱歩小説に出てくる登場人物はとびきり極端だ。

おかしな性癖や悪趣味。現実には決してお近づきにはなりたくないが、読むことによって、そんな極端な人間にも、間接的に触れることができる。

光文社文庫の「江戸川乱歩全集<第二巻> パノラマ島綺譚」、お気に入りの話は「闇に蠢く」だ。読んでいて、眉をしかめるほどおぞましい。あまりの嫌気に、たまらず手で顔を覆うが、指と指の隙間から、ちょっと見てみたくなるような、そんなお話。