ソフトロック初心者が3日がかりでざっとプレイリストをまとめてみた

ソフトロック初心者です。こうやって意識してまとめたのは初めてかもしれない。ソフトロック=オーケストレーションされた豪奢なサウンドに軽快なビートってのが自分の中での図式だったんだけど、どうやらそうでもないらしい。

調べていくとあれもソフロ、これもソフロ。じゃあ、オールディーズとソフトロックの境界線ってなんなんだ。というハナシになって少し混乱しております。

Music Unlimitedのアカウントがあれば、以下で聴けます*1。全27曲*2 *3
https://music.sonyentertainmentnetwork.com/playlist/99cc6f4a6631457faf1e46e951f800ad?autoPlay=true

01. "Barbarella" - Bob Crewe and Charles Fox / Barbarella O.S.T. - 1968
映画バーバレラのサントラより。1968年のソフトロックどまんなか世代。ふわふわした感覚でとても気持ちいいサウンドです。次の曲にシームレスにつながる関係上、トラックの分断が中途半端で泣ける。
02."I Kept on Loving You" - Roger Nichols & The Small Circle Of Friends / Full Circle - 2007
1968年の1stは有名なメガネのジャケットですが、ここでは約40年ぶりの2ndからの一曲。すごくいい感じです。こういう曲調って古びない、というかこれは新し目の曲なんだけど、1968年にリリースされたと言われてもそのまま信じちゃいそうな雰囲気。 勉強不足でした(汗)、Carpentersの(セルフ)カバーだった。ロジャー・ニコルズ作曲ということで大目に見てください。まあ、音楽ってのはテクノロジーは進歩しても、根幹は大して進歩してないってわけですね。
03."Love So Fine" - The Carnival / Carnival - 1969
MUにはRogher Nichils&SCOFの1stがない!ということで少しでも彼らの名曲を味わっていただくためにここは、The Carnivalによるカバーを。フックでちょっとゆったりめになるのが面白いです。オリジナルはテンポそのまんまなんだけど、やっぱりカバー曲は何らかのオリジナル性をださないとつまらないわけで。
04."Up, Up And Away" - 5th Dimension / Up, Up And Away - 1967
最近では深キョンが主演してた日曜の連ドラ(管制官のドラマ)のテーマ曲にもなってたのが記憶に新しい。"飛行機"って雰囲気で、空に飛んでちゃいそうです。ジャケットは気球だけど。5th Dimensionは黒人グループだけど、曲調はソウルのように重たくなく、むしろブルーアイドソウルのよう。元々はTWAトランス・ワールド航空のCMソングだったらしい。きっとこういう曲調が飛行機っぽいのはそういった古くからの刷り込みなんだと思います。
05."The Pill" - The Love Generation / Montage - 1968
ハードロックに対してのソフトロックは和製英語だそうだけど、その名を体現しているような雰囲気の曲です。なんかここらへんはソフロでは基本だそうです。。。
06."Here Comes The Night" - The Beach Boys / Wild Honey - 1967
ビーチボーイズっていうと自分の中ではオールディーズの範疇だったんだけど、ソフトロックだったんですね。"Pet Sounds"が名盤でソフロ界では基本中の基本だということだが、それほどピンと来ず。The Pillの次だとそんなに違和感ないでしょ?
07."Never Tell The World" - The Free Design / Kites Are Fun - 1967
90年代の渋谷系音楽にも多大な影響を与えたというグループ。残念ながらフリッパーズギターとかは全然聴いたことがないので全くピンと来ませんが、カウンターメロディを奏でる物哀しい雰囲気のハモンドB3がイイ味出してると思いませんか。MOOGの時代まではもう少しなので、エレクトリックサウンドというとオルガンが多かった時代なのだろうか。
08."It's Not Puppy Love" - Chris Montez - 196?
どうも調べても年代がはっきりしない。1963年くらい?Chris Montezのベスト盤にはたいてい収録されているっぽいです。ソフトロックというよりもロックンロールな感じがするけど、こういうのもソフトロックの範疇らしい。よくわからん。幅広いぜ、ソフトロック。こういった手数の多いギターカッティングは好みな感じです。
09."Beatmaker" - Doris / Did You Give The World Some Love Today, Baby - 1970
やっと70年代がきましたよ。レアグルーヴとしても有名なDorisのナンバー。単体ではピンと来なかったこの曲も、こういう並びで聴くとなかなかいい雰囲気じゃんと再評価できたのです。
10."Ain't No Sun Since You've Been Gone" - Dusty Springfield / Dusty ... Definitely - 1968
また60年代に逆戻り。Dorisからの流れでDusty Springfieldならこれかな、という感じ。後半から飛び出すラテンパーカションがいい感じにノってます。
11."Sing To Me" - The Millennium / Begin - 1968
Beginっていうアルバムなのに、この一枚で解散しちゃったとかいうThe Millennium。このグループもソフトロック語るなら基本だそうで。
12."Windy" - The Association / Inside Out - 1967
Chris Montezからのロックンロールな雰囲気からちょっと自分の思っているソフトロックに戻ってきた感じの印象。これのグループも基本らしい。
13."Tell Her No" - The Zombies / Zombies - 1965
ゾンビーズって名前がホラー映画っぽくてどうせハードな雰囲気なんだろうな決めつけて無視をし続けていて、こんな機会でもないかぎり聴くこともなかったと思うんですが、意外にソフトだったという。イントロからしてなんか違うぞ、って感じです。Barbara Thompsonとの共作、Ghostsなら持ってた。
14."California Dreamin'" - The Mama's And The Papa's / If You Can Believe Your Eyes And - 1966
もはや説明不要のママス&パパス。何十年か生きてればどこかで聴いたことのある曲でしょう。文句なく名曲です。自分的には映画「恋する惑星」で効果的に使われていたのが印象的。
15."Na Na Hey Hey Kiss Him GoodBye" - Steam - 1969
Steamというのは実在しないグループなんだとか。レコーディングの都度、スタジオ・ミュージシャンなんかが招集されて即席で作られたらしい。Paul Lekaという人が仕掛け人だそうだ。
16."More Today Than Yesterday" - Spiral Starecase / More Today Than Yesterday - 1969
これも特に説明不要な名曲ですね。海外ドラマの「アリー・マイ・ラブ」の1stシーズン第11話「銀の鐘」でリチャード・フィッシュが唄ってて、へたうまな雰囲気がすごく良かった。DVDには使用曲としてクレジットされてましたね。今だったらDビデオとかhuluで見られるので見てみるといいと思います。40分半くらいのところ。
17."Raindrops Keep Fallin' On My Head" - B.J.Thomas / Butch Cassidy And The Sundance Kid O.S.T. - 1969
映画「明日に向って撃て!」の挿入歌。特に説明不要の名曲。
18."Den je nas" - Eva Olmerova / Vitr rvac - 1983
これをソフトロックとしてしまうのは若干乱暴かもしれないけれども、まあいいやってことで。コーラス入ってるし。Eva Olmerovaはチェコのジャズフィールドで活躍しているボーカリストで何枚かLPを持っている。クレジットには同郷のジャズファンクバンドMahagonのキーボディスト、Michael Kocabの名前なんかも見えるが、情報少なすぎ。
19."(They Long To Be) Close To You" - The Carpenters / Close to you - 1970
なんとなく感じてた、この流れからの"Sing"の違和感。というわけで、入れ替えました。有名過ぎて書くことがないのは同じ。作曲はバート・バカラック"Sing" - The Carpenters / Now And Then - 1973:有名過ぎて何も書くことがない。セサミストリートの挿入歌としてリリースされたそうです。キッズボーカルつながりで、Brady Bunch関係もセレクトしたかったんだけど、MUには無いんですよねー。非常に困る。
20."Sun" - Margo Guryan / Take A Picture - 1968
彼女はこの一作しかフルアルバムは世に残していないそうで、レア化してなければ、コレクター的には集めやすくて助かるんじゃないかと思います。もともとジャズの人だったらしく、ビル・エヴァンスに師事したとか。なんとなくアカデミックな雰囲気があるのはそういうわけか。
21."Mad" - Harpers Bizarre / The Secret Life Of Harpers Bizarre - 1968
まさにこういうのが自分の思う「ソフトロック」というやつ。軽快でストリングスが入ってて。
22."Byla Sobie Para" - Alibabki / Zagrajmy W Kosci Jeszcze Raz - 1977
The Secret Life Of Harpers Bizarreからは10年後、時が経てば洗練される。ソフトロックの完成形というか理想形というか、何もかもが見事な一曲です。ポーランドのジャズオルガン奏者、Wojciech Karolakが編曲。ジャズの人のポップソングってホントいいですよね。ヴォーカルアレンジ、オーケストレーションも抜かりなさすぎて参ります。
23."Needing You" - Frankie Valli / ...Is The Word - 1978
年代のせいもあるし、ここまでくるとさすがにアリなのか?ってかんじですが。ギリギリ、ソフトロックってことで。まあストリング入りのAORじゃないかとか言われたらその通りなんだけど、曲は良いでしょ!?
24."Holiday Feeling" - Gerhard Heinz / Bloody Moon aka Die Saege des Todes (O.S.T.)
Gerhard HeinzというとドイツではPeter Thomasと並ぶ、サントラとかではよく見かける作曲家なわけですが、実態はよく知りません。これもなんかのサントラから。おい、これってAORかディスコじゃん、とか言われたらまあ、そうなんですけど、曲は良いでしょ!?
25."Je L'Aimais" - France Gall / France Gall - 1975
もうここまで来たらなんでもいいやって感じになってます。フランスギャル。ソフトロック・・・か!?でも、曲は良いでしょ!?系統としては彼女の傑作シングル、Zozoiっぽい感じ。って、それってもうほとんどジャズじゃないか。
26."Moja Bron Serdeczna" - Alex Band / Gold - 1999
ポーランドのAlex Bandのコンピから。Danuta Blazejczykという人の歌唱なんですが、詳細は不明。ソフトロックとはかけ離れてきたけど、シンセブラスがイイ味出してますよね。Alex Bandといえば、ポーランドの歌手、Hanna BanaszakをフィーチャーしたSamba Bez Butowが珠玉。"Alex Band I Przyjaciele"に収録されてます。
27."Angels, Who Burn Their Wings" - James Darwin - 1970
ドイツの作曲家、Peter Thomasの作品。Peter Thomas Sound Orchestraがバックです。よくわかりません。ちょっとソフトロックに揺り戻した感じだけど、オーケストレーションされたポップスなだけかも。でもそれがソフトロックだろ!?

*1:アカウントなしだと各曲30秒聴けるみたいです

*2:2014.7.24 - 1曲追加で27曲

*3:2014.9.11 - 1曲入れ替え